岸田文雄首相の長男翔太郎氏が、首相秘書官を事実上更迭(こうてつ)されることになりました。そもそも首相秘書官とは。 Q 6月1日付で、岸田文雄(ふみお)首相の長男翔太郎(しょうたろう)氏が首相秘書官を事実上更迭(こうてつ)される。首相秘書官とはどんな役割? A 内政や外交などあらゆる情報が集まる首相官邸で、首相を直接支えている。首相が任命する特別職の国家公務員で、現在は8人いる。 Q 具体的にはどんな仕事をしている? A 首相の日程調整や国会答…この記事は有料記事です。残り709文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
長男更迭劇「サミット効果吹き飛んだ」 首相官邸、職責の認識に甘さ
有料記事小手川太朗 楢崎貴司 藤原慎一 谷瞳児 君島浩 長野佑介2023年5月30日 22時27分 長男・翔太郎秘書官(32)の更迭を決めた岸田文雄首相は、「退職金の辞退の意向」を国会で代弁するなど火消しに追われた。だが、起用時から公私混同を指摘された末の更迭劇に、緩みやおごりを指摘する声がやまない。世襲政治への国民の批判も高まっている。 翔太郎氏の交代は更迭なのか――。30日の参院経済産業委員会で野党議員に追及された首相は、「言葉遊びをするつもりはない。けじめをつけるために交代させる」と強い口調で応じた。 だが、「公邸忘年会」が報じられた直後は「厳重注意」にとどめ後から更迭を判断した理由を問われると、「広島サミット後の地元との調整業務が一段落するから」などと、説明は抽象的に。一方で「退職金、ボーナス等については辞退、返納すると本人の意思を確認している」と強調した。更迭劇による打撃を最小限にとどめようとするかのような姿勢が目立った。ひろゆき氏のツイートに官邸幹部「困る」 実際、政権中枢は「首相の身内びいき」への批判の広がりに神経をとがらせている。 「ひろゆきがフェイクニュー…この記事は有料記事です。残り2410文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
内閣支持率46%に上昇 G7で「指導力を発揮」6割 朝日調査
朝日新聞社は27~28日に全国世論調査(電話)を実施した。岸田文雄内閣の支持率は46%(前回4月調査は38%)と上昇。不支持率は42%(同45%)だった。広島G7サミットで、岸田首相が議長として「指導力を発揮した」と答えた人は59%で、「そうは思わない」の32%を上回った。いわゆるサミット効果が支持率を押し上げたとみられる。 内閣支持率が不支持率を上回ったのは昨年8月調査以来。男性の支持率は51%、不支持率は39%だったが、女性は40%対46%で不支持率の方が少し高かった。 日本でのサミットは1979年の東京サミットから今回を含めて7回目。面接方式で調査していた時期もあり、単純に比較できないが、サミット前後の世論調査の内閣支持率をみると、ほとんど横ばい・下落で、今回のように明らかに上昇したのは初めてだ。〈調査方法〉 コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、27、28の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した872世帯から417人(回答率48%)、携帯は有権者につながった1722件のうち713人(同41%)、計1130人の有効回答を得た。 今回の調査で、広島サミット…この記事は有料記事です。残り740文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
G7サミット閉幕 岸田首相が会見「核軍縮に向け機運高められた」
広島で開かれていた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は21日、閉会した。議長を務めた岸田文雄首相は広島市の平和記念公園で記者会見し、成果について「G7として、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を確認し、これを守り抜く決意を示せた」と強調。「核兵器のない世界という理想に向けた基礎を確保し、核軍縮に向けた国際社会の機運をいま一度高めることができた」と語った。 首相は、G7首脳が被爆の実相に触れ、「核軍縮に関する広島ビジョン」を発表したことについて「歴史的意義を感じる」と述べた。 一方、「我々首脳は、二つの責任を負っている」と言及。「現下の厳しい安全保障環境のもと、国民の安全を守り抜くという厳然たる責任」と「核兵器のない世界という理想を見失うことなく、追い求め続けるという崇高な責任」を挙げた。「世界80億の民が全員、(核なき世界を願う)広島の市民となったとき、この地球上から、核兵器はなくなるだろう。私はそれを信じている」とも語った。 ロシアによるウクライナ侵攻については、「一日も早く終わらせるために、厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援を継続する。この点について、固い結束を確認した」と述べた。ウクライナのゼレンスキー大統領が対面でサミットに参加したことについては、「力による現状変更のための核兵器による威嚇、ましてやその使用はあってはならない。こうしたメッセージを緊迫感をもって発信することになった」と振り返った。「解散・総選挙については考えていない」 「グローバルサウス」と呼ば…この記事は有料記事です。残り292文字有料会員になると続きをお読みいただけます。G7広島サミット日本や米国など主要7か国の首脳が広島に集い、意見を交わします。G7を知れば世界がわかる。あなたの知識をクイズで腕試し![もっと見る]
岸田首相「重層的な日米関係を確認」 首脳会談で対ロ制裁継続も一致
岸田文雄首相は18日夜、米国のバイデン大統領との首脳会談などを終えた後、広島市内のホテルで記者団の取材に応じた。首相は「重層的な日米関係について確認する機会となった。ロシアによるウクライナ侵略については同志国と緊密に連携し、厳しい対ロ制裁と力強いウクライナ支援を継続していくことで一致した」などと述べた。 翌日に開会を控えた主要7カ国首脳会議(G7サミット)について、首相は改めて「国際社会が歴史的な転換期にある中で開催される極めて重要なサミットになる」と強調。「議長として国際社会をリードしていく強い決意と覚悟を持って臨んでいきたい」と語った。 テーマの一つとなる「核廃絶」については、「G7として『核兵器のない世界』への決意を改めて確認するとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持、強化するG7の強い意志を世界に示したい」と述べた。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
影響力低下し結束できぬG7 冷戦後最悪の核の状況で広島開催の意義
主要7カ国首脳会議(G7サミット)が19日から広島で始まる。どんな議論が展開され、被爆地・広島で開かれる意義と議長国・日本の果たすべき役割は何か。 G7は、1970年代の石油危機などを機に、世界経済を議論するために発足した。90年代前半には世界の国内総生産(GDP)の7割近くをG7が占めていたが、いまは4割台前半に後退。世界経済を議論する場は、リーマン・ショックを受けて発足した中国やインドを含むG20(主要20カ国・地域)に移っている。 とはいえ、ロシアによるウクライナ侵攻や、中国が軍事、経済の両面で国際社会での影響力を増すなかで、民主主義国で構成するG7の役割は少なくない。 最も重要なテーマは、ウクライナ情勢だ。G7は結束してロシアへの批判を強める方針だが、対ロ経済制裁や欧米によるウクライナへの武器供与にも限界がある。 対中戦略ではG7で温度差がある。G7でアジア唯一の参加国として岸田文雄首相は「ウクライナは明日のアジアかもしれない」と、ウクライナ情勢と中国による台湾侵攻の可能性を関連づけ、連携と協力を求める。 ただ、中国との対立を深める米国に、マクロン仏大統領は、同盟国は「米国の属国ではない」とし、台湾問題で米中いずれにも「追従するべきではない」と強調しており、足並みがそろっているとは言い難い。G7として、中国を牽制(けんせい)するメッセージをどう出すのかも焦点になる。 「グローバルサウス」と呼ば…この記事は有料記事です。残り881文字有料会員になると続きをお読みいただけます。G7広島サミット日本や米国など主要7か国の首脳が広島に集い、意見を交わします。G7を知れば世界がわかる。あなたの知識をクイズで腕試し![もっと見る]
岸田首相、「初心」忘れていませんか? 今読み返す「岸田ビジョン」
そもそも、岸田文雄首相はどんな人物なのか――。 就任から約1年半がたったいま、その答えを求めて首相の著書「岸田ビジョン 分断から協調へ」を読み返してみた。 「岸田ビジョン」は2020年9月、首相が初めて自民党総裁選に挑むにあたって出版された。生い立ちから政治家になったきっかけ、首相をめざす自身の「初心」が記されている。翌21年、首相に就任する際には新書化され、冒頭にこんな一文が加筆された。 「『聞く力』を持つ新しいタイプのリーダーになることを、ここであらためて国民の皆さまにお約束します」 どんなタイプのリーダーなのか。「のれんに腕押し作戦」 「岸田ビジョン」で前面に掲…
首相、石川の地震「さらなる注意を」 7日からの訪韓は状況見て判断
石川県能登地方を震源とする地震について、岸田文雄首相は5日夜、首相官邸で記者団に対し、「引き続き余震の心配もある。天候もこれから悪化する予報も出されている。住民の皆様は、強い余震や土砂災害の発生に十分注意していただきたい」と語った。 首相は地震発生を受けて7日からの韓国訪問を見送るかどうか問われ、「被害状況などを見ながら、適切に判断をしていかなければならない。余震や気象状況を考えると、緊張感を持って、引き続き現地と緊密に連絡を取りながら、政府としても対応を続けていきたい」と述べ、状況をみて判断する考えを示した。 首相は5日、アフリカ4カ国歴訪後シンガポールに立ち寄って首脳会談を行い、午後9時半ごろ東京・羽田空港に到着した。そのまま首相官邸に入り、松野博一官房長官や谷公一防災担当相から報告を受け、今後の対応を協議した。有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
首相の指示差配、政策への「拒否権」も 官邸を支える2人の番頭とは
岸田文雄首相は何をしたいのかわからない――。政権発足から1年7カ月。今もなお、そんな見方があります。実際には何をめざしているのか。政策はどう決まっているのか。「岸田官邸の実像」に迫ります。 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本対メキシコ戦のテレビ中継に多くの人が釘付けになっていた3月21日午前、岸田文雄首相はウクライナで列車に揺られていた。 前夜、外遊先のインドのホテルを裏口からひそかに抜け出し、ポーランドを経て、陸路でキーウを目指していた。ホテルに取り残された首相秘書官は、首相が出発した後に計画を知らされたという。 「岸田総理がウクライナを電撃訪問」のニュース速報が流れたのは、ちょうど九回、無死一、二塁で日本代表の村上宗隆に打順が回ってきたときだった。 電波で居場所を知られないよう、携帯電話の電源を切り、外部からの電波も遮断。通訳などの外務省関係者や警護のSPも絞り込み、随行者は10人足らず。穀倉地帯を走る列車の中に、首相と深夜までゼレンスキー大統領との会談の打ち合わせをしていた2人の側近の姿があった。 嶋田隆・首席首相秘書官(63)と木原誠二・官房副長官(52)。 政権の機微に触れる重要な政策決定には、必ずこの2人が関わる。今年2月に発表されるまで、保秘が徹底された日本銀行総裁の後任人事。2人は数カ月前から、水面下で候補者のリストアップを進めてきた。経産省へ直接指示 まるで「嶋田資源エネルギー庁長官」 嶋田氏は首相と同じ開成高校…
首相の指示差配、政策への「拒否権」も 官邸を支える2人の番頭とは
岸田文雄首相は何をしたいのかわからない――。政権発足から1年7カ月。今もなお、そんな見方があります。実際には何をめざしているのか。政策はどう決まっているのか。「岸田官邸の実像」に迫ります。 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本対メキシコ戦のテレビ中継に多くの人が釘付けになっていた3月21日午前、岸田文雄首相はウクライナで列車に揺られていた。 前夜、外遊先のインドのホテルを裏口からひそかに抜け出し、ポーランドを経て、陸路でキーウを目指していた。ホテルに取り残された首相秘書官は、首相が出発した後に計画を知らされたという。 「岸田総理がウクライナを電撃訪問」のニュース速報が流れたのは、ちょうど九回、無死一、二塁で日本代表の村上宗隆に打順が回ってきたときだった。 電波で居場所を知られないよう、携帯電話の電源を切り、外部からの電波も遮断。通訳などの外務省関係者や警護のSPも絞り込み、随行者は10人足らず。穀倉地帯を走る列車の中に、首相と深夜までゼレンスキー大統領との会談の打ち合わせをしていた2人の側近の姿があった。 嶋田隆・首席首相秘書官(63)と木原誠二・官房副長官(52)。 政権の機微に触れる重要な政策決定には、必ずこの2人が関わる。今年2月に発表されるまで、保秘が徹底された日本銀行総裁の後任人事。2人は数カ月前から、水面下で候補者のリストアップを進めてきた。 嶋田氏は首相と同じ開成高校…
岸田首相、アフリカで「法の支配」の重要性を確認 サミットへ課題も
有料記事マプト=阿部彰芳2023年5月4日 20時00分 アフリカ4カ国を歴訪中の岸田文雄首相は4日、最後の訪問国モザンビークの首都マプトでニュシ大統領と会談した。ロシアのウクライナ侵攻を念頭に、法の支配に基づく国際秩序の重要性を確認。エネルギーなど経済分野での連携を強化する方針でも一致した。 アフリカ歴訪は、19~21日に広島市で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)を控えたタイミングで行われた。ロシアや、軍事・経済的に台頭する中国への対応をめぐり、「グローバルサウス」と呼ばれる新興国、途上国との連携を強める狙いだ。 こうした中、ウクライナ情勢に関連して重視したのが、モザンビークだった。歴史的にロシアとの関係が深く、これまでウクライナ関連の国連総会決議はすべて棄権している。それでも、今回訪問したエジプト、ガーナ、ケニアと同様に「法の支配」の重要性という一致点を見いだした。 モザンビークのニュシ大統領…この記事は有料記事です。残り509文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
岸田首相、アフリカで「法の支配」の重要性を確認 サミットへ課題も
有料記事マプト=阿部彰芳2023年5月4日 20時00分 アフリカ4カ国を歴訪中の岸田文雄首相は4日、最後の訪問国モザンビークの首都マプトでニュシ大統領と会談した。ロシアのウクライナ侵攻を念頭に、法の支配に基づく国際秩序の重要性を確認。エネルギーなど経済分野での連携を強化する方針でも一致した。 アフリカ歴訪は、19~21日に広島市で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)を控えたタイミングで行われた。ロシアや、軍事・経済的に台頭する中国への対応をめぐり、「グローバルサウス」と呼ばれる新興国、途上国との連携を強める狙いだ。 こうした中、ウクライナ情勢に関連して重視したのが、モザンビークだった。歴史的にロシアとの関係が深く、これまでウクライナ関連の国連総会決議はすべて棄権している。それでも、今回訪問したエジプト、ガーナ、ケニアと同様に「法の支配」の重要性という一致点を見いだした。 モザンビークのニュシ大統領…この記事は有料記事です。残り509文字有料会員になると続きをお読みいただけます。